道しるべ



金木犀の花
秋の闇夜の
道しるべ


あまりに忙しい毎日
空も見上げず
道端の草木も見ず

ただひたすらに
まっすぐ前だけ見て
足早に行く先を急ぐ日々

駅の改札から
帰宅を急ぐ波に押されて
月も星も出ない夜をゆく

季節の変わりを知らず
仕事の数に時間を数える
そんな最近だったけど

闇夜に漂うこの香りに
なにかを少し思い出す

あまりに小さなこの花が
秋の闇夜の道しるべ

金木犀の花
スケッチ:2000.10.13
はがき紙
水彩色鉛筆

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