道草して
かえろう
ざわざわざわと 風の強いいちにち。 こんな日はすぐに帰れない。 空が真っ青で どこまでも続いて こんな日は 真っ直ぐに帰れない。 枝を拾ってリズムをつけて 柵を叩いて鼓笛隊になろう。 口笛吹いて歩調を早め ざわめく草原に 分け入って佇むのだ。 微かな風が向こうから 波のようにやってくる。 猫じゃらしの草原は今、 音をたててミドリの海。 いつもの道を少し外れた、 ここは、すぐには帰れない場所。 猫じゃらし(ねこじゃらし)の穂 スケッチ:2000.8.21 はがき紙 水彩色鉛筆、マーカー、鉛筆 |