春時計



土筆(つくし)
ひとふし
ひとふし
春を刻んだ

空気も風も少し変わった。
光もにおいもどこか違う。

昨日の道が少し変わった。
今日の道はどこか違う。

いつもの道の片隅の
乾いた土を押しのけて、
つくしの頭が少しずつ
丈を伸ばして揺れている。

フシのひとつで桜咲き、
フシのひとつで水温む。
フシのひとつでれんげ揺れ
フシのひとつで土溶ける

昨日と違う、
今日の丈。
フシの育ちが告げるもの。
フシで数える春時計。

土筆(つくし)
スケッチ:2001.4.1
はがき紙
水彩色鉛筆
マーカー、鉛筆

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